ウェブサイトのサーバーが別の国に表示されるのはなぜ?(CDNの仕組みを解説)

あるアメリカの小売店のウェブサイトを調べたら、サーバーはシンガポールにあった——そんな経験はないでしょうか。これはごく普通のことで、最も多い原因がコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)です。サイトは世界中の何百台ものエッジサーバーに複製されており、あなたが解決した先のIPは単にあなたに最も近いエッジノードにすぎません。以下では、こうした結果の読み解き方と再確認の方法を紹介します。

CDNの役割

CDN(Cloudflare、Akamai、Fastly、AWS CloudFrontなど)は世界中のデータセンターにサーバーを配置し、訪問者をそれぞれ最も近いサーバーへ振り分けます。メリットは速度と耐障害性です。その一方で「このウェブサイトはどこでホストされているのか」という問いに唯一の答えがなくなります。誠実な答えは「あなたのいる場所から最寄りの地点。加えて中心的なオリジンサーバー」です。

調べる対象 得られる結果
CDNを前面に持つサイト(大手サイトのほとんど) 最寄りのエッジノードのIPと場所
共有ホスティングの小規模サイト ホスティングプロバイダーのデータセンター
自己ホストしているサーバー そのマシンの実際のISP所在地

エニーキャスト:ひとつのアドレス、多くの場所

一部のネットワークは、同じIPアドレスを数十か所から同時に告知しています(エニーキャスト)。検索結果ではある都市にIPが帰属しても、実際にはあなたのトラフィックが別の場所から処理されていることがあります。あらゆる場所に存在するアドレスについて、データベースが記録できる登録地点はひとつだけだからです。

本社とサーバーは別物

会社の登記上の住所、ホスティングプロバイダーの登録情報、そして物理的なマシンは、三つの異なる場所です。WHOISが示すのは登録者の住所であり、ジオロケーションが示すのはネットワークの登録所在地であり、どちらもハードウェアの実際の場所を保証しません。

より意味のある結果を得るには

  1. まずドメインを検索してみる —— URL Location Lookup を使えば、大多数のサイト(大手CDNの背後にないすべてのサイト)では、結果がそのまま実際のホスティング場所です。
  2. 別のネットワークから比較する(スマホのテザリング対自宅のWi-Fi):ネットワーク間で国が変わるなら、それはCDNによるエッジ選択が働いている証拠です。
  3. タイムゾーンの項目を確認する —— 都市レベルのデータが曖昧なときでも、タイムゾーンは結果を一つの地域に結び付けてくれます。

海外のように見える結果は修正すべき異常ではなく、現代のウェブがいかに自分自身を分散させているかを映し出す窓です。

よくある質問

サーバーが海外にあるということは、そのウェブサイトは危険ですか?

いいえ。グローバル企業は意図的に世界中のデータセンターからコンテンツを配信しています。海外の所在地は通常、CDNノードかクラウドリージョンを意味するのであって、詐欺ではありません。サイトの判断はドメインの年齢、証明書、評判によって行うべきで、サーバーの地理だけで判断するものではありません。

CDNの背後にあるオリジンサーバーを突き止められますか?

場合によっては可能です。古いDNSレコードや、CDNを経由しないサブドメイン(direct.example.com など)、過去のWHOISデータがオリジンを露呈させることがあります。オリジン発見専用のツールはこの作業を自動化しますが、適切に設定されたサイトはこれを効果的に隠しています。

同じサイトでも検索するたびに国が変わって表示されるのはなぜですか?

CDNはDNSを使って最寄りのノードで応答するため、得られるIPは問い合わせ元の場所に依存します。東京からとパリからの問い合わせでは、同じサイトに対して異なるIP——ひいては異なる国——が返ることがあります。